2005年12月3日
二科黄金の時代展 -二科会を彩った精鋭作家たち-
この日、ちょうど友人の結婚式の二次会にでかける予定があったのでそれまでの時間つぶしに観て来た展覧会。土曜日の夕方、デパート内の美術館という条件にしてはえらく閑散としていた。ちらほらいたお客さんでも美術関係者とおぼしき姿が数名。なんだか企画画廊がでかくなったみたいな雰囲気があった。
最初、展覧会名だけだと大して興味も持たなかったのだが、ポスターにあった出品作家のラインナップが意外でちょっと関心があったので良い機会とばかり観ることにした次第。二科会は文展から閉め出された当時の気鋭の洋画家たちがはじめた美術団体。ということぐらいしか知らなかったのだけど、いやはや実に意外な人々の出入りがあって、その作品も意外性があってその点ではちょっとびっくりした展覧会だった。そういや、最近は芸能人が何人も入選して話題になったりしてたっけ。意外性という点では伝統を引き継いでるってことかな。
手元にはビラ一枚しか資料がないので詳しくは書けないけど(出品リスト貰ってこれば良かった・・・)、気に入ったのは安井曾太郎の裸婦、古賀春江のこれまた裸婦、岸田劉生の初夏の道、野口弥太郎(多分)の門あたり。宮本三郎の「家族席」という横長の作品も印象深かった。小出楢重のあの電線のある風景画とか佐伯祐三の郵便配達夫とか湯浅一郎のうたたねする女性は実物が観られてちょっと嬉しかった。安井曾太郎は大原にある風景画が結構好きで、フォーブ的な人物画は好きじゃなかったけど、今回展示されていた「裸婦」は手数も多くとても意外だった。古賀春江の「裸婦」は暗い背景にうつむき見えない靴下をはいているかのように足首あたりに手をかざす裸婦。画面の下半分のみ明るく手と足が矢印のように浮かぶ。ころころと画風を変えた古賀春江、両どなりにキュビスム風の作品とクレー調の作品もあったけどやっぱりシュルレアリスムの頃がいいなぁ。何気ない裸婦画にみえて不思議な深遠さが画面ににじんでいる。
それにしても主催者の中にその二科会も入っているのだけど(当たり前か)、なんかこの懐古趣味的なタイトルといい、ごく短期間しか籍を置かなかった作家の作品も展示していたりするところがちょいと気になる。黄金時代として半世紀以上も前を顧みる、うむむ、するとこれは今は大したことないってことなのか? この展覧会が過去の栄光を借りて90年目の節目に宣伝しているのだとしたら、現在の姿の虚しさが痛々しい。願わくば、現代の美術界、現代の若手作家に対する激励の意味であって欲しいなぁ・・・というちょっとイヤミな感想を生意気にも持ってしまった展覧会だった。