
INFOCUS AWARD 2008の顛末(最終報告)
このページは、もともとINFOCUS AWARD 2008に出品した作品を紹介する目的で用意したページです。作品はページ下部に紹介していますので、ぜひご覧ください。ページの上半分では、主にイベントとその後の問題点についての情報提供を目的にまとめています。また、本記事にはコメント欄を設けていませんので、必要であれば右上にアイコンのある「掲示板/芳名帳」に書き込むか、直接yusuke@artist-at-heart.comまでメールをください。なお、このページにはご自由にリンクしてくださって結構です。
私が個人的に注文していたTシャツは、ようやく追加注文分も届きました。先月半ばに問い合わせたところ、9月30日発送予定との連絡がありながら、1週間以上経った10月8日になっても一向に届かないので再度催促したところ、10日に1着ずつ別便で4つがまとめて届きました(コスト管理はどうなってるの?!)。とりあえず私としては、これでINFOCUSの関係で残されていたやりとりは終わりました。Tシャツの出来は大変良く、買ってくれた方からも好評です。なかには第2弾、第3弾を期待する声も出ていて、私としては誠に嬉しい限りなのですけど、消費者を軽視した非常識なINFOCUSの企業体質が改善されない限りは、もう関わりたくないというのが本音です。
実はこのところ「INFOCUS」「納品されない」「遅れ」といったキーワードの検索から当ブログへのアクセスが増えており、"被害者"が少なからず居ることが推察されます。私も以前、同様の検索から他の方のブログを拝見して昨年のイベントからこの問題が改善されていないことを知りました。私の注文していた商品がすべて届いて一段落しましたので、まとめておきます。ただ、あくまで私個人の主観で書いていますので、その点はご理解ください。
[このイベントの長所]
・プロ・アマを問わず様々な作家の立場を考慮した良心的な企画
・製品としてのTシャツのクオリティの高さ
[このイベントの短所]
・ウェブサイトが凝りすぎていて目的のものを探すのが困難
・出品者に対しての技術的なサポートが不親切、というか担当者の知識が不足している(半角・全角の文字数の違い等根本的なところでの話が通じなかった)
[Tシャツ販売にかかる問題]
・納期(2ヶ月)が注文後にしか表示されない(これは法的にも大丈夫なの??)
・納期が守られないどころかこちらから催促するまで動かない
・納品書に相当するリストがない(私は大丈夫でしたが、商品違いなどの納品ミスも多々あったようです)
・いくら遅れても「今回予定より早く仕上がったお客様には通常より早く届きましたが毎回この納期とは限りません」との無神経なメッセージが添えられてくる
・メールでの問い合わせに対してはリアクションが非常に悪い
あと、作家に売上金の一部を還元する「アーティスト支援プログラム」とも銘打ってましたが、どれがどれだけ売れたのかに対する客観的な確認がとれないだけでなく、このことについてはイベント後全く触れられません。単なる計画だおれ? いずれにせよ、消費者に対しての誠意はもちろん、作家の名前を借りた商売である以上、作家の信用に対する責任があるはずです。代金先払いのシステムでありながら、平気で納期を大幅に遅らせる、問い合わせのメールも無視、謝罪の言葉すら一切なし、というのは彼らの言う「アーティストの視点に立ったプログラム」であると言えるのでしょうか。参加する前にこういった事態があることまでリサーチできなかった落ち度は私の方にもありますが、何においても常識の範囲というものがあります。過去の同様のイベントでも同様の問題を繰り返していたようですから、もしかして確信犯的に作家の信用を失墜させるのが目的のイベントだったのでは・・・とまで思えてしまいます。とにかく、私の作品を気に入ってTシャツの注文をされた方が居て、納品に対することで不愉快な思いをされた方がいらっしゃいましたら、大変申し訳ありません。この場を借りてお詫びします。
最後に、より詳しい情報が寄せられているブログ(管理人:オザワさま)を紹介しておきます。私も「コマホフ」名でコメントさせてもらいました。
89cm:ozw's blog
そして、同様にINFOCUSについて情報提供されている方のブログ記事(管理人:ロコさま)です。
ROCO's Blog
あと、ついでに納品されたときの私のブログ記事も。
2008年9月17日: Tシャツ(その2)
これまであまり楽しくないことを長々と書きましたが、どなたか同様に不安を感じられている方のお役に立てれば幸いです。さらに、願わくばINFOCUSを主催しているSSNA Graphics & Worksの企業体質が改善されればと思う限りです。[2008年10月11日 (10月15日改)]

INFOCUS AWARD 2008出荷遅れについて
Tシャツの製造と発送が大幅に遅れているようです。買ってくださった皆さん、大変ご心配をおかけしています(私もちょっと心配)。このことについては先方に問い合わせると同時に催促していますので、またなにかありましたらこのページ上でご報告します。アーティストの視点に立った折角の良い企画なのに、関心を持ってくれた顧客(購入者)と出品者に対しての誠意と季節ものの商売をする上での最低限の姿勢に疑問を感じざるを得ない経緯になっているところが残念でなりません。[2008年8月6日]

INFOCUS AWARD 2008出品作
このたび、INFOCUS AWARD 2008というイベントに参加しました。詳細は当該イベントのウェブサイトをご覧いただくとして(註:現在リンク切れ)、簡単に説明させてもらうと、「Tシャツ・デザインという形で絵画を発表するコンペ式のウェブ展覧会」で、選ばれた作品は、Tシャツとして商品化・販売されるとのこと。また、開催期間中は気に入った作品のTシャツを受注生産・販売してくれるそうで、万人受けする作品でなくても欲しい人の手元に届く機会がある素敵なイベントです。
ここではINFOCUSのサイトでは字数制限の関係で説明できなかった部分を補足する目的で、出品作の紹介をさせてもらいます。これらを気に入ってもらえて買っていただけたりすると大変嬉しく思います。[2008年4月29日]
No. 1 「最も美しい者へ」

このオイルパステルによるリンゴの絵はブログ「一日一画」で2007年10月23日に公開したスケッチです。INFOCUSへの出品にあたっては、No. 2の「ヘラ、アテナ、アプロディテ」とともにギリシャ神話の「パリスの審判」をテーマにしました。
「パリスの審判」はトロイ戦争のきっかけになったエピソードで、英雄ペレウスと海の精霊テティスの結婚式にただ一人招かれなかった争いの女神エリスが、その腹いせに祝宴の中に一つの黄金のリンゴを投げ入れたのが始まりです。そのリンゴには「最も美しい者へ」と書かれていたので、ヘラ、アテナ、アプロディテの3人の女神が自分こそリンゴを受け取るべきという醜い争いをはじめてしまい、仲裁に入ったゼウスが羊飼いの少年パリスに判定させることにしました。その後この3女神がそれぞれパリスの買収に走るわけですが、結果的に「最高の美女を与える」という約束をしたアプロディテの手にリンゴが渡りました。その最高の美女というのがスパルタ王妃のヘレネで、彼女を強奪したものだからヘレネ奪還と懲罰のためにスパルタ軍(+周辺諸国の連合軍)がトロイに遠征した・・・という話です。
話がそれましたが、リンゴの上のギリシャ語はその「最も美しい者へ」です。Tシャツとして身につけると、着ている本人を最も美しい者に与えますという意味にも取れてしまうという遊び心が隠されています。これを着てギリシャ旅行でもすればコミュニケーションのきっかけになるかも? ギリシャでなくても、「これは何?」「実はね・・・」という感じにも使えるかも。「最も美しい者へ」と、敢えて性別を意識しない書き方をしているのはそのあたりの意図もあります。
No. 2 「ヘラ、アテナ、アプロディテ」

この作品のみが、INFOCUSへの招待を受けてからTシャツになることを意識して描いたオイルパステル画です。「一日一画」では2008年3月24日に公開しました。Tシャツ図案としては、No. 1の「最も美しい者へ」と同様に、ギリシャ神話「パリスの審判」をテーマにした作品です。3つの青リンゴは、争った3人の女神のメタファーになっていて、ギリシャ語の文字列は左から順にヘラ、アテナ、アプロディテです。3つの青リンゴのうち最も存在感のある右手前の転倒したリンゴが、羊飼いの少年パリスによって「最も美しい女神」として選ばれることになるアプロディテです。絵の構成上、1つだけお尻をみせて配置しましたが、そのリンゴが最も卑近な賄賂(?)での買収に成功した美と愛の女神アプロディテのメタファーというのもなかなか意味深かもしれません。リンゴが西洋美術ではポピュラーなモチーフであることと、この女神が西洋美術の長い歴史でインスピレーション源でありつづけたこと(アプロディテはローマ神話ではヴィーナスに相当)は、作者なりの西洋美術への敬意と憧れを象徴しています。
No. 3 「たそがれ時」

INFOCUS事業の説明にある「作品を、いわゆる平面画としてではなく、実用性のあるTシャツへと変換して社会へアートを提案します」を読んで、いわゆる平面作品でも額装されて展示される実物は印刷物やモニタ上の平面画とは違うじゃないか・・・とへそ曲がりな感想を持ってしまったので、絵画作品のTシャツ・メディアへの応用を、敢えて従来の平面作品の展示を強調することで実現しようとしたのがこの作品です。額装されて展示されている状態をそのまま再現したこの作品は、まさに着て歩く展示として機能するのではないか、平面的なグラフィックデザインが主流のTシャツ・デザインにあって騙し絵的に絵画作品を見せるのは「絵描き」からの強いメッセージにならないか、と考えました。着たときに少しでも自然に見えるように、額とラベルの影も上からの光を想定してつけられています。ちなみに、この作品は作者が2004年に制作した油絵「たそがれ時」で、ケニアのナイロビ市内に住んでいた時に描いたオイルパステル画をもとにした風景画です。
No. 4 「Black Market Baby」

中央の木炭画は敬愛するミュージシャン、トム・ウェイツの肖像で、U字型にレイアウトされているのは、「彼女は石炭であり続けたいダイヤモンド」と歌うトム・ウェイツのBlack Market Babyの一節です。この謙虚でありながら自信と可能性に満ちたコピーは、「彼女」の解釈次第でTシャツとして身につける人の、控えめでユーモアに満ちた意思表示にもなり得るのでないか、と考えて選びました。なお、肖像画が木炭での制作なのは、石炭(coal)と木炭(charcoal)のウェイツ的な言葉遊びのつもりです。木炭画の作品自体は、ファン・サイトのリニューアルに向けて2004年12月7日に描いたもので、この日付はトム55歳(Ol' '55...苦笑)の誕生日です。


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