2007年4月20日

【1000点突破記念:模写その5】サン・クレメンテ教会の壁画:全能のキリスト

時刻: 23:56 | 技法: ペン

特別企画も五日目になりました。ちょっと趣向を変えて中世美術です。スペインはカタルーニャ、ピレネー山中のサン・クレメンテ教会の壁画だったキリスト像の顔部分を描きました。これ、今はバルセロナのカタルーニャ国立美術館(MNAC)の代名詞になっている展示なんですが、実物を観た時は本当に圧倒されました。それまで中世美術はあまり関心がなかったんですけど、ここのロマネスクとゴシックの展示のおかげで関心を持ちました。バルセロナからナイロビに戻ってすぐに出かけたエチオピアにはこの中世の雰囲気がそのまま漂っていたので(たとえば現役のイコン:これとかこれ、エチオピア正教の教会や祭り、ユリウス暦など・・・)、私の中では妙にリアルな感覚があったりします。話がそれましたが、このマグマ大使のようなキリスト、単純化されているようで効率的に現実的な存在感を表現しているような気がしてきました。これを大きな壁に描いていた当時の人々が、この神々しいキリストと対峙しながら制作していたと思うと想像を絶する感覚だったのかもなぁ・・・と思います。
ちなみにこの絵は、MNACで購入したカタログの写真を見て描きました。はっきりした様式的な彩色なのでカラーサインペンを使いましたけど、サインペンでは当時の壁画職人の感覚には近づけませんねぇ・・・。

いわゆるWeb拍手です。→

いただいたご感想とそのお返事など

マグマ大使ですかぁ(笑)。「私が万能のキリストですっ!」と言っているかのような迫力が桂田さんの作品から伝わってきます。信仰に対する迷いの無さが現れているような単純化された線ですよね。サインペンが雰囲気を上手く表現しているように思いました。

で、今ゴンブリッチの「美術の物語」を読んでいるのですが、この時代の美術について「自然界を模倣する義務から解き放たれたことによって、彼らは超自然界の世界を表現できるようになったのである」とあります。実際に見えるままの現実を超えたところにあるリアルな現実感って、シュールレアリスムと似ているのかもしれませんね(^^;

投稿者 : June | 2007年4月22日 00:04


Juneさん、
ははは、マグマ大使は無視してください・・・。ご紹介のゴンブリッチの言葉はなるほど深い示唆がありますね。普遍的なものへのアプローチとしての脱写実があったとしたら、教会の意向が支配的だったにせよ観念的なレベルで20世紀のシュルレアリスムに近い視点があったのかも・・・なんて思えますね。興味深いです。それにしても、古典的名著をも読み込まれるJuneさんの意欲的な探究心には脱帽いたします。

投稿者 : 桂田 | 2007年4月22日 02:42


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