2006年10月8日

豪雨後の安康露頭
時刻: 23:59 | 技法: オイルパステル
長野県の大鹿村には中央構造線という、日本列島を関東から九州まで貫く大断層が通っていて、その見事な露頭がすくなくとも2カ所あります。そのうちの安康露頭は、大断層の両側が観られるだけでなく、数本の斜めの断層が出ていて地質学的に大変興味深い貴重な露頭です。
私個人は10年ぶりにここへ行ったのですが、なんと今年7月の豪雨災害(岡谷、諏訪湖で甚大な土砂災害をおこしたあの豪雨)ですっかり様変わりしていました。約4mあった露頭の半分以上が土砂に埋まり、3本観られた断層ガウジもかろうじて2本見えるだけ。えらいこっちゃと思いましたが、なんと豪雨出水時の痕跡が実にはっきりと残っていて、これはこれでとても貴重な状態でした。具体的に言うと、下流の砂防堰堤で一時的に水位があがって土砂が溜まり、その土砂が少なくとも5回にわたって堆積していたことを示す堆積構造が観られることです。あと、出水時の最高水位を示す木々の幹やら土砂に埋まってしまった樹木、川の両岸での堆積物の振る舞いの違いなど・・・とにかく上流の被害の大きさとメカニズムについていろいろ考えさせられる興味深い(不謹慎でしたらゴメンナサイ)現象でした。
今朝もう一台の車が給油に出かけているあいだ(村民運動会でガソリンスタンドも休業中だったので隣町まで行っていたのです)、待ち合わせ場所にしていたこの露頭でスケッチしたのがこれです(この絵をみても場所を知ってる人にしかわからないかもしれません、否、知っててもわからないかも・・・)。中途半端な殴り描きなのは、実際中途半端なままもう一台が到着して移動することにしたためでもあります。
ちょっと細かい補足(地質のはなし):
黄色っぽい部分が中央構造線の内帯の花崗岩質の変成岩、黒いのは断層ガウジ。この範囲では外帯の緑色片岩、泥質片岩の露頭は見えていないけれど、堆積している砕屑物は外帯起源。断層はデュープレックス構造を示していて、この露頭の対岸部の内帯にはレンズ状に珪長質の岩石がはさまれています。ちなみに西側に行くと圧力変成を受けたマイロナイトという岩石が分布しています。外帯の岩石にははなんとなくマラカイトっぽい部分も見えます。

いただいたご感想とそのお返事など
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先月(2007年6月)27〜28日に、上部2mのクリーニングを行いました。今なら良い状態で観察できます。 投稿者 : 河本(大鹿村中央構造線博物館) | 2007年7月11日 14:01 |
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河本(大鹿村中央構造線博物館)さん、 投稿者 : 桂田 | 2007年7月12日 12:39 |


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